キッチンに男2人が立ち、俺は夕飯の仕度。
恭一は好物の枝豆の茹でる前の下拵え。
そんなこんなで話をしながら、目の前に広がるリビングの真ん中で、ミノリは一生懸命、塗り絵を続けていた。
と、思ったら――突然テーブルにこてんと頭を突っ伏した。
「ミノリ、どうした?」
「ミノリちゃん!?」
手を止めて駆け寄ると、
「おなか、しゅいたぁ」
――と。
どうやらお腹がエンプティー。
確かに、気付けばもうそんな時間だった。
「ご飯もうちょっとで出来るけど、ちょこっとだけ、なにか食べるか?」
「うん」
突っ伏したまま、軽く返事をしたミノリ。
その姿に自然と笑みが零れる。
ミノリの細い腕に絡まっているポニーテールを抜き取って、髪を正す。
柔らかい毛が俺の指からするりと抜け、ぷにぷにと軽く頬を摘むと、むふふと笑っていた。
笑う気力はまだあり、完全にエンプティーというワケではなさそうだ。

