「じゃあ俺も一緒に迎えに行くかな~。涼介も家で色々やることあんだろ? その間、俺がミノリちゃんと遊んでてやるよ」
恭一はそう言うと、勝手知ったる我が家のテラスに、煙草を吸いに出た。
大学は夏休みに入ったが、提出しなければならないレポートやらなんやらで、落ち着いてゆっくりは休めない。
そこら辺の事情を把握してくれている恭一は、ミノリの相手をしに、こうしてちょこちょこやって来てくれる。
弟が2人に妹が1人。
そして、家業が空手道場をしているだけあって、子どもの扱いも慣れてるから俺も安心して頼めたりだ。
大学が夏休みに入ってからは、朝8時半頃保育園にミノリを預け、それから家事をこなして、後はレポートやらに時間は惜しみなく費やせる。
早く終わらせて、ミノリとの時間を作る。
それを目標に、出来るだけ早くと取り組んでいた俺の課題は、あと少し頑張れば全て終わる。
全課題が終わったら、ミノリを連れて、どこか旅行に行こうかと、ふと考え止まった。
親父は、多分仕事で無理・・・・・・だろうな。
でも、2人の旅より大人数の方が、ミノリには楽しいものかも知れない。