「スイカは時間が経つと臭くなるから、面倒なことしたくなければ、スイカは避けた方がいいと思うぞ」
「なるほどな」
「まあ、昆虫ゼリーとか売り始めたから、それが簡単でいいんだろうけど、果物をあげるんなら、ベストなのはバナナな! それかりんごな」
「バナナかりんご? カブト虫がバナナなんて食べるのか?」
「水分が少なくて、高タンパクで、ちょっと腐った感じのニオイとか好きみたいだぞ」
「へぇ」
流石に男兄弟が3人いるだけあって、詳しいな。
恭一の意外な一面に、俺は多少なり驚かされていた。
ミノリは交尾中であろうカブト虫の虫かごを、外からパンパン叩いている。
カブト虫からしたら――邪魔してくれるなって感じなんだろうな。
「ミノリちゃん、明日お兄ちゃんと一緒にカブト虫にエサあげてね」
「はぁい」
「うーん、いい子だ! あと、このフタは、パチンて閉めないとカブト虫が逃げちゃうから、いい? 開けたら、こうやってパチンて閉めてね」
虫かごを手に、恭一はミノリに丁寧に虫かごの開け閉めを教えてくれて、ミノリも開け閉めを覚えたみたいだった。

