「きょーちゃん、かぶとむししゃん、いたぁ?」
「う、ん? いるにはいるんだけどねぇ」
「みたい! み~しぇてっ」
なんだか恭一の歯切れが悪く、気にかかった。
なんだ? と思っていると、
「わぁ! かぶとむししゃんがかぶとむししゃんを、だっこしてるぅ~!」
そんなミノリの言葉が聞こえて来て、俺は自分の耳を疑った。
カブト虫がカブト虫を抱っこ?
抱っこって、もしかして――まさかの交尾中か?
マジか・・・・・・と、思って恭一を見ると、バツが悪そうな表情の恭一と目が合った。
あの歯切れの悪さはそれでか、と――俺は言葉を失った。
それにしても・・・・・・抱っこか。
発想が、ミノリというか、子どもらしい。
そういうミノリに日々癒やされるんだよな――なんて思いながら、ミノリへ視線を動かすと、ミノリは虫かごの中をガン見。
おい、あんまり見るなよ・・・・・・と、そんな気分だった。

