「ミノリ、ちゃんと、手は綺麗に洗ってな」
「はぁい! ぴっかぴっかのーおーてーてっ!」
ちょっとフレーズが違うだろ。
なんて思いながら、一緒に手洗いうがいを済ませ。
リビングに移動をすると、煙草を吸い終えた恭一が「おじゃましま~す」と言いながら、家に入って来た。
「あ! ミノリちゃん、カブト虫持って来たんだよ」
「かぶとむし?」
「うん、この虫かごの中を見てごらん」
俺が野菜やら果物を冷蔵庫にしまっている間、ソファーではミノリと恭一のカブト虫観察がスタート。
「かぶとむしは? どこにいるのぉ?」
ミノリのその問いに、フタを開けてあげるよと、恭一。
そして、恭一がフタを開けて中を軽く覗くと――直後に、あっらっら~と、声を上げた。

