だから、ミノリが“ただいま”と言ったら俺が返して、俺が“ただいま”と言ったらミノリが“おかえりなさい”と、返す。
それが当たり前になっていた。
「ミノリ、遊ぶよりも先に手洗いうがいするぞ」
「はぁ~い」
ちょこちょこと俺の後をついてくるミノリは、やはり可愛くて仕方がない。
あと2年も経てばミノリは小学生になっているが。
あと2年も経てば、俺はじいさんの会社に働きに出ている。
今は俺が学生だから、ミノリとの生活もどうにか成り立っているが。
先のことを考えると、どうしたらいいもんかと、悩みは尽きない。
まあ、それを今考えた所で、実際そうなってみなきゃ分からないのだが。
母親が他界して、俺には子育てなんて大層な事は無理だろと思いながらも、周りの人に助けてもらいながら、どうにかこうにかやって来られた。
先のことに頭を悩ませ考えるよりも、今という時が大事。
――だよな。
ブレることのないように、今の生活を守ることが大事だと、自分に喝を入れた。

