「えだまめぇ~?」
桃から枝豆に興味が移ったミノリは、何故か手を叩いて喜んでいた。
「ミノリちゃんは、枝豆も好きなのかい?」
「う~んっ!」
「じゃ、今日は特別に枝豆もつけちゃうかな~」
「わぁ~!!」
もうひと笊の枝豆の束を袋に入れてくれた店主。
「おっちゃん、いつもわりぃ~ねぇ」
俺がお礼を言う前に、恭一が口を開いた。
するとミノリが手をぶらぶらとさせ、踊り気味に――
「わり~ね、わりいねぇ」
そう言って――俺をあ然とさせた。
店主は「アハハ」と、笑っていたが、恭一はヤバいって顔をして、俺に向かって軽く手を合わせて来た。
「涼介、マジごめん!」
変な言葉は使わせないように、普段から気を付けていたが。
こういう時にこんな失態は、どうにもいただけない。
ミノリは楽しそうだし、店主の手前、ここで強く叱ることは出来ない。
今日あんなことがあったから、出来れば叱らずに楽しくやり過ごしたい。
「ミノリ」
「うーん?」
「こういう時はな、おじさんにありがとうって言うんだよ」
「うん! わかったぁ」

