「敵役・・・・・・ですか?」
「はい、それでミノリちゃんが蓮君の人質にされちゃって、最終的になぜか追いかけ回されてしまった状況のようでして」
「それだけで、服って破れるものなんですか?」
どんな遊びだろうが、気になったのはそこだった。
「あ――そうだった! ごめんなさい。お洋服は、追いかけ回されていた時に、ミノリちゃん躓いて転んじゃったみたいなんですよね。それで、」
ミノリ、ころんだのか・・・・・・。
痛かっただろうに。
「その後、蓮君が転んだミノリちゃんのお洋服を、上から引っ張って、倒れたままちょっと引き上げられた感じになってたみたいで、その時ビリッと」
「それって――ミノリの服を掴んだまま、ミノリを持ち上げたってことですか?」
「はい・・・・・・そうみたいです」
「そんなことするんですか? っていうより、軽くだろうと持ち上げちゃうのか」
「本当に、なんてお詫びをしたらいいのか」
「いや、先生を責めている訳じゃないんです・・・・・・ただ、そんな事を年中児がするんですね。普段のミノリの行動からじゃ、ちょっと想像出来ないので」

