* * *
「梨亜〜」
私はお弁当を食べようと親友の梨亜を呼ぶ。
「紫音待って〜」
私は、机にお弁当を広げ、梨亜を待つ。
鞄に半日入っていたお弁当の、匂いはどこか独特で、昔から私は大好きだった。
昨日約束した和津と行く海には、お弁当を持っていこう。と決めてたりもする。
そんなことを考えると、その日の妄想が止まらない。
「ん…おん!紫音!」
梨亜の呼ぶ声に、ハッと我に帰る。
いつの間にか梨亜は、私の目の前に座っていて、お箸を口にくわえている。
「あっ、ごめん〜」
「もぅ。紫音ったら、また和津といいことでもあったの?」
私の顔はみるみるうちに赤くなる。
だって、梨亜の勘は鋭いから。
「何何っ!?もうまたリア充しちゃって〜。あたしにもそれ分けなさい!」
梨亜は身を乗り出して、私のお弁当から、卵焼きを1つ奪う。
私は照れ隠しか、お弁当を頬張るように食べた。