軽そうな男は、突然出てきた私にびっくりしたようで、 少し目を見開いて、こっちを見ている。 「嫌がってる女子の腕を掴むとかさ、変態のやることでしょ。」 眉を寄せて吐き捨ててから、 どん、と背中で穂香を押す。 一瞬彼女が息を飲んだのがわかったけど、 『早く行って』 と示せば、戸惑いながらも穂香ともうひとりは走って逃げていった。 これでひとまずは安心。 ナンパを邪魔したことでこの男らが怒り出しても、 自転車で逃げ去ってしまえばいい。 そう、私は高をくくっていたのかもしれない。