三日後、弥一の仕事は終わった。整髪された木々達が、庭園に綺麗に並ぶ。
八重は今日から五日後を思い浮かべて、普段よりも機嫌が良かった。利彦が不思議そうにしていた。
それはそうと八重は弥一から文を受け取っていた。文章を書くのが苦手だからと、八重に送った文は今まで数える程しかない。
そんな弥一が、八重に文を書いた。
「五日後、抜け出す前に読んで欲しい」
弥一はそう言ってその文を渡した。八重は大切にそれを懐へ忍ばせている。
帳面に挟んだあの写真を出しては眺め、出しては眺めて気持ちを高揚させた。
そうして五日後の夕刻、八重はその文を開いた。
障子が茜色に染まっている。

