G線上のアリア《キミを抱きしめたい》

返事をする間もなく、彼は去っていく。


私は知っている。

朝日には、本当は私の見舞いにも行く暇はないことを。

シングルマザーのお母さんの手伝いをしないといけないことを。


「もう…。」


さりげない優しさに、また顔が赤くなる。

そして、今日も明日も、あたしはその優しさに甘えるだろう。


私はまた、朝日が嫌いな病院へ入っていく。


そして夕日も建物の下へを隠れていく。


だいたい、病院の位置は分かる。

何回も通った道だから。