G線上のアリア《キミを抱きしめたい》

「その杖…。
足でも怪我したのか?」


やっぱり、気付くか。

目の不自由な人専用。

白い杖はまだ持っていない。


「あー。
目をね、ちょっとやっちゃって…。」


誰にも言わないつもりだった。


目が見えなくなった途端。

手の平を返したように、学校側は退学を勧めた。


もともと貧乏な私。

その私が私立の学校に通えていたのは奨学金のおかげ。


もう、私は学校のマスコットにはならないのだと思ったに違いない。