引きずられる様に、学校の外に連れ出される。
彼はずっと無言。
怖いよ。
祐先輩を助けなきゃって気持ちが優先して、無我夢中で飛び出しちゃった事、後悔し始めてる。
私、どうなっちゃうの?
「おい。あれ、見えるか?」
人の多い通り。
急に塗師君が立ち止まる。
「あれって……?」
塗師君の視線の先には、黒いもやのかかっている人が居た。
嫌だ。
また。
小さい頃からたまに見るんだ。
黒い人って私は勝手に名前付けている。
なんか気持ち悪いし、私以外の人には見えて居ないみたいだったから、見かけても近寄らない様にしていた。
「黒い人?」
「なんだそれ?あれは悪魔だ。」
「悪魔?」
「やっぱり見えてるんだな。」
一体、何言ってるの?
手、離してくれないかなぁ。
「塗師君?さっきから何言ってるの?」
「もう気づいてるんだろ?俺が人間じゃないって。」
どきっとする。
やっぱり人間じゃないんだ。
「私をどうするつもりなの!?」
「どうもしやしないさ。俺が欲しいのはあのサッカー部の先輩の寿命だ。」
「寿命?」
ぐっと腕を引き寄せられる。
怖いのに、ドキドキしてる。
塗師君の顔が近づいてくる。
こんな近距離に男の子が居るなんて経験、初めてだよ。
それに、人間じゃないって分かっても見た目は綺麗な顔の男の子なわけで……。
「教えてやろうか?……俺の正体。」
胸がバクバクして、何を言われているのか全然分からない。
耳元に塗師君の息が掛かる。
「しょ、正体?」
「そう。俺、死神なんだ。俺と契約しろよ。」
「死神?契約?」
「そう、そしたらあの先輩の寿命、諦めてもいいよ。」
私は早くこの状況から脱したくて……
「分かった!契約でもなんでもするから!!」
そう叫んでしまっていた。
「契約成立な。」
耳元にチクリとした痛みが走った。
彼はずっと無言。
怖いよ。
祐先輩を助けなきゃって気持ちが優先して、無我夢中で飛び出しちゃった事、後悔し始めてる。
私、どうなっちゃうの?
「おい。あれ、見えるか?」
人の多い通り。
急に塗師君が立ち止まる。
「あれって……?」
塗師君の視線の先には、黒いもやのかかっている人が居た。
嫌だ。
また。
小さい頃からたまに見るんだ。
黒い人って私は勝手に名前付けている。
なんか気持ち悪いし、私以外の人には見えて居ないみたいだったから、見かけても近寄らない様にしていた。
「黒い人?」
「なんだそれ?あれは悪魔だ。」
「悪魔?」
「やっぱり見えてるんだな。」
一体、何言ってるの?
手、離してくれないかなぁ。
「塗師君?さっきから何言ってるの?」
「もう気づいてるんだろ?俺が人間じゃないって。」
どきっとする。
やっぱり人間じゃないんだ。
「私をどうするつもりなの!?」
「どうもしやしないさ。俺が欲しいのはあのサッカー部の先輩の寿命だ。」
「寿命?」
ぐっと腕を引き寄せられる。
怖いのに、ドキドキしてる。
塗師君の顔が近づいてくる。
こんな近距離に男の子が居るなんて経験、初めてだよ。
それに、人間じゃないって分かっても見た目は綺麗な顔の男の子なわけで……。
「教えてやろうか?……俺の正体。」
胸がバクバクして、何を言われているのか全然分からない。
耳元に塗師君の息が掛かる。
「しょ、正体?」
「そう。俺、死神なんだ。俺と契約しろよ。」
「死神?契約?」
「そう、そしたらあの先輩の寿命、諦めてもいいよ。」
私は早くこの状況から脱したくて……
「分かった!契約でもなんでもするから!!」
そう叫んでしまっていた。
「契約成立な。」
耳元にチクリとした痛みが走った。
