ヨシオは呆気に取られ、少しの間その異様な光景を黙って眺めていた。
「お前ら、いいから、さっさと教室に戻れ!」
耳が痺れるような怒鳴り声が辺りに響く。良く見ると人混みの中に目を釣り上げ顔を真っ赤にした井沢の姿があった。
丁度、生徒達に囲まれるようにして、ぷるぷると体を震わせながらその場に立っている。
額には今にもはち切れそうな青筋が浮かんでいた。
ヨシオは普段より更にパワーアップした井沢の姿に身震いした。
門の前に居なかった理由も分かった訳だが、現在の変貌を遂げた井沢を見ると
まだ門の前に突っ立って腕を組んでいる井沢なんて可愛いもんだと思えた。

