ジメジメとした蒸し暑い空気に包まれた六月の朝だった。 その日は平日だったので、ヨシオはいつものように学校に向かって急いでいた。 ヨシオはどうも朝が弱く、遅刻ギリギリで学校に着くか、間に合わずに教育指導の鬼教師、井沢にコッテリ絞り上げられるかのニ択な毎日になりつつあった。 息を荒げ脇腹を押さえながら走っていると、錆びて色の剥げた白い門が見えてくる。 そして今日の朝は珍しくツイている日だと思った。 いつも門の前に居るはずの殺気立った井沢の姿がない。