優輝が屋上のドアと逆の方で横になる。さっきボコボコにされたキズが痛む。
優輝が顔を抑えながら、
『陽さんこれ治せないの??』

『自分の体は無理です。』
ため息をつく。
屋上のドアが開いて、優輝の方に歩いて来る。
(誰??)
優輝がそっちの方に目を向ける。
彩乃がぶっきらぼうに、
「大丈夫??」
優輝
「大丈夫そうに見える??」
彩乃が首を横に振る。優輝が
「彩乃はサボりか??」
彩乃が
「……うん。なんで??そこまでがんばれるの??」
優輝が
「あぁ~、霞とは腐れ縁だしな。」
上体だけを起して、彩乃を見て
「『友達』ってそんな物でしょう。」
彩乃
(友達!?)
その場に立ち竦む。
〈グー〉
優輝のお腹がなった。
(そういえば、お昼食べてなかった。)
優輝の顔が赤くなる。彩乃がそれを聞いて呆れた顔する。
優輝が
「………。」
彩乃が
「ハイ。」
学校の購買で買ったパンを渡す。
不思議そうに
「……ありがとう。」
彩乃が
「友達でしょう。」
不器用に笑う。
つられて優輝も笑う。