HINEKURE~ヤマトノオロチの巻~

前鬼がその刀を見ると、斧のよう刀でそれを受ける。
「小僧も『火』なのか??奇遇だな。俺様もなんだ!!」
前鬼が口を開けて、炎を吐きだす。
それを火の刀でギリギリ受ける。しかし、火の勢いが強かった。純也が炎に包まれる。
前鬼が見下した目で
「その程度か??青二才!!」
純也が
「ならば、コレでどうだ。」
純也が火の刀を地面に刺して、手を広げる。炎が刀に集まっていく。
「ほ~、さすが清明殿の血縁だな。炎を操れるとは、なかなかの術師だな。しかし、まだだな。」

「なら、これならどうだ。」
刀を抜いて、刀から炎の玉が飛ぶ。
「無駄だ。」
刀でそれを消す。
「分かってるよ。そんなこと。だから……」前鬼が白い紐にまかれていた。
「鬼蜘蛛か!!いつの間に召喚した。」
前鬼がそう言うと紐を気合いで吹飛ばす。
「おもしろい。青二才、名をなんと申す。」
「安部純也。」

「従ってやるよ。」

そう言うと前鬼は巻き物に戻った。
純也が額の汗を拭う。
(なんだかんだ言ってかなり手を抜いていたみたいだな。疲れた。)
その巻き物を閉じて稽古場を出る。