HINEKURE~ヤマトノオロチの巻~

霞桜が続けて、
「殺さないのか??一番大切な人を殺せば、『殺意』が手に入るのではないか??そうすれば、お前が花鳥風月の継承者になりたくさんの人間が救えるのだぞ。人間がよくやってきたことじゃないか、大を得るために小を捨てる。お前だけじゃない。殺さなければ、お前が死ぬだけだ。」
霞が優輝の目を合わせる。優輝が
「……霞。」
と呟く。優輝が微笑む。霞は切りたくなかった。刀が小刻みに震える。霞桜が
「どうした??殺したくないのか??ならば、お前が死ねばいい。」
霞は死にたくもなかった。どうしようもなかった。
霞に握られていた刀が手から零れた。霞が四つん這いになり涙を零して
「分からないよ。殺したくもないし、死にたくもない。でも、私に優輝を殺す事はできない。だから、私を殺して!!優輝ならいいよ。」
優輝が刀を構える。
(ここで死んじゃうのか。それも悪くない。一番大切な人がそばにいてくれば。)