「なっなっなに?」




近いってば…

近すぎだってば




楠元くんの息が顔にかかる





「…俺を本気にさせてよ」





なんて、そんなこと


そんなこと言われたら…




期待、期待しちゃ…




「っぶ…」



「えっ?楠元…くん?」





彼はその場にしゃがみ込んで、
私の顔を見上げた






「…嘘だよ。ぶははっ」




頭が真っ白になった私は、いっきに体の力が抜けた





「あれ?もしかして平田さん、本気にしちゃった感じ?」






…恥ずかしい


いま、顔を上げたら



本気にしてしまったのが
ばれてしまう