「てか、なんでアンタ平岡ちゃんのこと平田さんって呼ぶわけ?」




あっ、それは私も気になってた




「う~ん…平岡より平田の方がしっくりこない?」


「言われてみれば…」



「有希ちゃんまでぇ?」




そんな理由で私は平田さんって呼ばれてたのか…


そう呼ばれるたびに名前を覚えてもらえないとショックを受けていた時期があったというのに





「お、パン食いの練習か~頑張れ頑張れ」



「平岡ちゃんと脚がまったく揃わんのよね…どうしたものやら」




楠元くんは腕を組んで、
眉間にシワを寄せてる




「有希が平田さんに合わせるしかないんじゃね?」



…もっともなご意見ですとも





「やっぱアンタもそう思う?てか、楠元は練習しないの?」



「俺に練習なんか必要ねえの」


楠元くんは自信満々にそう言った。


逆光のせいで表情がよく見えないのが残念だ…