「関係なくなんかないよっ!」
楠元くんは目を丸まるにして、
私の顔を見てる。
「…平田さん?」
「関係なくなんかない!だって、楠元くんのせいで、いっつも迷惑してるんだよ?」
…違う
そんなこと思ってない
違うよ、そんなこと言いたいんじゃない
「昼休みだって、放課後だって、私だってこの席で…自分の席でやりたいこといっぱいあるの!だけど、楠元くんが来るから…席に座ってられなくて…」
「…うん。わかった、わかったから」
楠元くんは、
興奮して椅子から立った私の腕を掴んで再び椅子に座らせた
「…ごめん…なさぃ」
こんなことが言いたいんじゃなかったの。
楠元くんのことが好きだから…
『関係ない』って言われたことが悔しくて、悲しくて…
「俺こそ、ごめん。自分のことしか考えてなかったよな?」
「……」
違う、違うのに…
なんで何も言えないの?
「大丈夫。もう来ないから」
やだっ、やだよ
そんなこと言わないで
「…じゃあね、平岡さん」
楠元くんは、泣いている私の頭を軽く撫でて
教室から出て行った。