「てか、平田さん大丈夫なの?帰んなくて」



「ん?いま何時?」




楠元くんに言われて

壁時計に目をやると、



「げっ!バイト間に合わないっ!」



とっくに6時を回っていた。




「駅前のクレープ屋だったけ?何時からだったの?」



「…6時」





楠元くんはご愁傷様…と

私の前で手を合わせた




「楠元くんはまだここにいるの?」



「うん…もう少しで見れそうだから」




「え?何が見れそうなの?」





楠元くんの口からこぼれた、

意味ありげの言葉を私は聞き逃さなかった。