「…冗談。ちゃんとあるよ」
私の手を掴み手の中に何かを握らせた。
…変なものじありませんように
そう、心の中で唱え
手のひらを広げてみた。
「…あっ…アメだ」
「なに、ホッとしてんだよ?さすがの俺も女子が嫌がるようなことはしねぇって」
「ははっ、ごめんごめん。ありがとう」
「どういたしまして」
その笑顔にズキュッとなる
あ―あ、なんか
どんどん好きになってくよ。
「そういえば、平田さんってパン食い競争に出んだって?」
「うん、運動とか得意じゃないからね」
私は自然を装うように、
私の席に座る楠元くんの隣の席に腰を降ろした。
「へぇ~そうなんだ。まぁお互いに頑張ろうぜ」
「楠元くんは1000m?」
「なに?もう噂回ってんの?」
楠元くんは頭をかいて、
だるそうにため息をついた。

