「でもさ?」
あたしと千恵の間に入るように山北さんの声がして、
あたし達は視線をそっちに向ける。
「それって逆に意味深だよね?」
その言葉に、一瞬あたしは理解出来なくて。
多分、千恵も同じ。
顔を見合わせたあたし達は、さっきの冗談が意味深?
そう思っていた。
それに気付いたのか
「あ、違う違う。さっきの綾乃ちゃんの話の方ね」
にっこり笑いながら、
食べ終わったパンの袋をコンビニ袋の中へと入れた。
「さっきの綾乃の話って?」
先に聞いたのは千恵だった。
袋の端と端を引っ張りギュッと閉じた山北さんが、千恵へと目線を向ける。
「ほら、手紙のやつ」
「あぁ」
それだけで納得した千恵。
だけど、あたしはまだわからなくて山北さんに聞いてみた。
「手紙って腐れ縁って子の?」
「そう、それ」
「何でそれが意味深なの?」
だって腐れ縁って言ってたよ?
それに、その中にいる人といい感じの子だとも。