だって、そんな簡単に性格なんて直せないじゃん。


学校とバイトと凄く大変なの知ってるもん。

あたしと会う為に
無理して事故とかされる方が嫌だったんだもん。

本当にそう思うんだもん!



でも……会いたいって我儘な事を思う、あたしも居るんだ。



それに気付いたのか、
気付いてないのか。

仁は

『綾さんがいいならバイト終ってからでも会える?』

って優しい言葉をくれる。



あたし、仁に無理させてないかな。

あたし、重くなってないかな。

あたし、邪魔じゃないかな。



「あーもう! ナメクジ女! また不安いっぱいって顔して」



そう言って、あたしの頬を抓った。



「いふぁーい」

「“いふぁーい”じゃない! 仁が会いたいって言ってんだから自身持ちなさい」



千恵さん、会いたいじゃないよ。


会える? だよ。


そう言いたかったけど、
これ以上怒られるのは嫌だったから黙って、
仁の為にラッピングしたチョコを見つめていた。