「うぅ~」



今日もデスクに倒れ込むあたしに



「何かナメクジみたいなのが隣に居る……」



と呆れた表情で千恵が呟いた。



だってーぇ。


バレンタインは
バイト休みって言ってたんだよ。

だから、どこに行くか考えて。

新しい服とかも買って。


それなのにぃー。



『ごめん、綾さん! インフルエンザで出勤停止の奴おるから変わったらなあかんくなってん』

って昨日の夜の電話。



あたしは皆にブーイングを受けながらも、明日休んだというのに。



「それ、仁に言えばいいのに」

「そんなの無理だもん」

「はぁー。綾乃の悪い癖は直んないね」



うぅ。

仁と付き合ったからっていっても
言いたい事が簡単に言えるわけもなく。


『ううん、全然気にしないで! 休みなしで大変だろうけど頑張ってね!』

なーんて言っちゃいましたよ。


挙句の果てには

『次の休みの日でいいよ。それまでチョコ大丈夫だと思うから』

なーんて事まで言っちゃいましたよ。