ゴンッ!



「いたぁ~」



仁と2人だけの世界で過ごしてる、
あたしを想像しながら転がったあたしは
壁へと頭をぶつけてしまった。


うぅ、さっき超バカけた事。
とか思ったくせに、なに妄想して照れてんだ!


自分に突っ込んでしまいながらも、
やっぱり隣に居てくれるのは仁が良い。



あー、もうっ!

どうすればいいんだろー。



枕元にある携帯へと手を伸ばし、
着信確認。メール確認するも仁からの連絡はない。


あの日以来、連絡が来てないな。

そう思いながら携帯に表示された12月31日という数字を見つめていた。



声、聴きたいな。


今日で今年が終っちゃうよ、仁。


ま、まさか……このまま連絡が来ない。なんてないよね!?

来年も一緒に居れるよね!?



って、あたし彼女じゃないのに。


そんな自分勝手な想いで仁を縛れる?



“広瀬 仁”



画面に映し出された仁の番号を見つめ、
発信ボタンに指をかけて止める。


電話……しちゃ駄目かな。


もし出てくれなかったら?

忙しいのかしんないじゃん!

大晦日だし、仁は高校生だもん。

友達と遊んでるのかもしれないし。



でもそれが着拒だったら?



……。

泣く。

絶対に、あたし泣く。