クラスの女子からモテる男の子は、
男子にあからさまに文句を言われても動じない。


それすらサラッと無視する姿が、

女子にはかっこよく映り。

男子には気取ってみえた……らしい。


嫌がらせは、どんどんエスカレートしていって目に見えるように変わっていったんだ。



「もう、やめなって」



調子にのった男子が、
男の子の机の上にゴミを乗せた。


それを見かね声をかけると、
今まで黙って見てただけの楠木と敦が私を止めた。



「ちょっと様子みよーよ」

「なんで!?」

「ここで助けられたら本人が嫌なんじゃないかな。って言いたいんじゃない?」



いっつも笑ってるお調子者の敦の言葉を代弁するかのように答えた楠木。



何が嫌なわけ?

ゴミが机の上にある方が嫌でしょう!?



席を立ち、ゴミを片付けようと思ったその時だった。


男の子が教室に入って来たことで、シンと静まり返る教室。


どこからかクスクスと笑い声が漏れ、女子は皆、男の子に注目していた。