「綾さーん。メットを抱きしめないで下さい」 「へっ?」 ハッと気づくと、 メットを胸で抱きしめていた。 「わっ、ごめん!」 慌ててメットを仁に返す。 「綾さん? メット返して…どうするん?」 「あ、ごめっ」 おもいっきり笑う仁に、 全身真っ赤になってしまった。 「どうしたん? 何かあった?」 心配して覗き込んでくれる仁の顔を直視出来ない。 だって、今……あたしの頭の中はHなんだもん。 仁にギュッて抱きしめて貰いたいな、とか考えてるんだもん。