「なんて……な?」
あたしの頭を撫でながら苦笑い。
え……わかってくれたんじゃないの?
やっぱり帰っちゃうんだ。
「本間、何かあったらすぐ電話してな? 飛んでくるし」
ニッと笑い、部屋の電気が消えた後、玄関の閉まる音がした。
何だかすごく寒くて、寂しい。
少し寝てから楽になった気がしたのに。
仁が居なくなった途端、悪化。
何だ、この体。
どれほど、仁メインなのよ?
どれだけ、仁を求めるのよ?
自分でも呆れちゃうくらい仁一色。
よく薔薇色の人生とか言うけどあたしは間違いなく“仁色”
そんな色作り出す仁って凄い。
……その色にハマったあたしがイタイ。
仁……もう会いたいよ。
今、何分か前までここに居たのに。
仁のチェックのシャツもないんだもん。
いつもなら、ここから妄想にうつって我慢するのに……。
熱があるからかな?
それとも……熱のせいにしてるだけ?

