【完】ラブ☆パワー全開




薬も飲んで、
部屋もポカポカしてて、
頭の下には冷たい氷枕、

そして仁の笑顔。


もーう! 至れり尽くせり状態。



なのに……



「ほんなら、俺帰るな? 何かあったら電話してな?」

「え……」



ベットに横になったあたしは、
立ち上がる仁を見て凄く哀しい顔をしてしまった。

それに気付いた仁は、また座り直す。



駄目だよ。

仁に風邪うつしたらどうするのよ!

てか、今頃気付くあたしもどうなの?


元気になってからデートすればいいじゃんね。

うん、そうだよね……。



「ごっ、ごめんね。
うつっちゃ駄目だから……帰ったら手洗いうがいしてね?」

「……帰っていいん?」



え……。

何で……そんな風に言うんだろう?


仁はわかってるの?


あたしが想ってたこと、わかっちゃった?

そんな悪戯な笑顔を浮かべて……セコイよ。