【完】ラブ☆パワー全開




「うーん……じゃあ、コレ置いて行くから待っててくれる? あかん?」



そう笑いながら脱いだチェックのシャツ。


それをあたしの手に渡し、

『駄目?』

って困った顔。


ふわっと香った仁の匂いに、つい

『うん』

って素直に返事をしてしまった。



「あはっ!それでえぇんや。ちょっと待っててな?」



そう言いながらキッチンでゴソゴソする音が聞こえる。



まだ温もりのある仁の服を抱きしめながら……そっと目を閉じて、また眠ってしまった。



冷たくて気持ちいい……。


電気が消えた部屋は、テレビの明かりだけで、
ベットに背中を預けた仁が、すぐそばに居た。



「仁?」



あたしの声に、すぐ振り向きいつもの優しい笑顔が返ってきた。



「あっ、起きた? どう? 2時間位寝とったけど」

「2時間も? あ……ごめんね?」

「ううん。綾さん、よう寝てたからコンビニ行って、色々買って来てんけど」



ガサガサ出したコンビニの袋からは、

ポカリ、栄養ドリンク、梅干、バナナ、のど飴、おにぎり、レトルトのお粥にラーメン。



……ラーメン!?