「うーん……じゃあ、コレ置いて行くから待っててくれる? あかん?」
そう笑いながら脱いだチェックのシャツ。
それをあたしの手に渡し、
『駄目?』
って困った顔。
ふわっと香った仁の匂いに、つい
『うん』
って素直に返事をしてしまった。
「あはっ!それでえぇんや。ちょっと待っててな?」
そう言いながらキッチンでゴソゴソする音が聞こえる。
まだ温もりのある仁の服を抱きしめながら……そっと目を閉じて、また眠ってしまった。
冷たくて気持ちいい……。
電気が消えた部屋は、テレビの明かりだけで、
ベットに背中を預けた仁が、すぐそばに居た。
「仁?」
あたしの声に、すぐ振り向きいつもの優しい笑顔が返ってきた。
「あっ、起きた? どう? 2時間位寝とったけど」
「2時間も? あ……ごめんね?」
「ううん。綾さん、よう寝てたからコンビニ行って、色々買って来てんけど」
ガサガサ出したコンビニの袋からは、
ポカリ、栄養ドリンク、梅干、バナナ、のど飴、おにぎり、レトルトのお粥にラーメン。
……ラーメン!?

