次に目を開けた時は、 仁はそばに居てくれた。 あたしが握ってた服は、 手に変わってて。 「あ、また起きた? 大丈夫? 熟睡出来てへんみたいやけど」 『うん』 と頷いたあたしをなだめるかの様に、 「氷枕とか取ってくるから待っててな?」 そう言って立ち上がろうとするから また……同じ事をしてしまった。 自分でも、こんな我儘な部分があるなんて初めて知った。 あたしの為にしてくれているのに、こんな我儘。 普通なら有り得ないもん。 なのに、それをしてしまうあたし。