大好きな仁と喋ってても、意識が遠くて。
ボーっとしてしまって、
頭の中で言葉がグルグル回るんだもん。
ベットの横に座ってた仁が離れようとしたのかな?
仁の香りと温もりが冷めてしまった瞬間、目を開けて仁を捜した。
「じ……ん?」
「へ!?」
立ち上がり部屋から出て行こうとする仁が、
心配そうな顔をして駆け寄ってきた。
「どうしたん? どっか痛い?」
布団から顔だけ出したあたしは小さく首を振り、
少し出した力の入らない手で仁の服を掴んだ。
「え? どうしたん?」
掴まれた服と、
あたしの顔を交互に見ながら、
わけがわからないって顔をしてる。
「そばに……いて?」
「えっ!? いや、おるよ? おるけど……氷枕でもって」
また小さく首を振りながら目を閉じた。
少し赤くなった仁の優しい笑顔を見ながら。

