さっきまでは、泣いてて。
今までは、焦ってて。
散々だったくせに。
諦めることも考えたくせに。
たった、これだけのことで。
やっぱり、あたしには仁しか居ない。そう思ってしまう。
「じ……」
「ここ……来る?」
少し照れた表情で見上げながら指差す先は、
仁が座るベッドの上に出来た足の間。
「い……いいの?」
さっきとは違う、
優しく掴まれた手首を自分の方へと引き、
すっぽりと埋まるように足と足の間に入った。
背中から伝わる仁の体温に涙が出そうになる。
あたしの肩に顎を乗せ、
耳元にかかる息に、
ドキドキが増す。
好きって恐い。
終わりがなくて。
昨日よりも今日。
さっきよりも今。
あたしの心は、
仁一色なはずなのに、
それがどんどん新しい気持ちを運んでくる。
あたしには仁しか居なくて。
仁だけが全てで。
もう仁とひとつになれたらいいのに。
そんな馬鹿な願いすら持ってしまう。
仁しか居ない世界があって、
仁が愛するのはあたしだけで、
仁と一生離れない。
そんなことを考えてしまう、
あたしはヤバイんだと思った。

