【完】ラブ☆パワー全開




「なぁ……何、普通に会話してん?」



あ、そうだよね。

こんな、翔さんの話してる場合じゃないよね。


あたしの馬鹿。



「う、うん。あ! ……2回目だ……仁の部屋」



って……また馬鹿やってるよ。

こんな話するんじゃないでしょう!

でも他に思い浮かばないんだもん。


自分から、さっきのことに触れるのは恐過ぎるんだもん。



「あんなとこで話てたら、近所の人に見られるやん」

「あ……そだよね。……ごめんなさい」



そして、また流れる沈黙。


これって、どうしたらいいの。

ねぇ?
どうしたらいい?


立ちっぱなしのあたしは、
座るタイミングすら失っちゃってるし。

部屋で立ってるって変だよね。



「え……っ?」



そう考えてたあたしの手首を急に掴まれ、掠れた声が出る。


手首を掴んでいたのは仁で、
手首から伝わる仁の体温に、
あたしの頬は急激に熱くなった。