暫くして車が止まった場所は、
夜景の綺麗な高台。



「わぁ……綺麗」

「やろ? 綾さんに見せたくてさ?」



笑ってる仁。

仁の笑顔は大好き。



なのに……。



どうして、こんなに不安になるんだろう。



『見せたかった』

それは誰かと来た事のあるセリフだよね?


仁のこんな些細な言葉が気になって仕方ない。



あたし……どうしちゃったんだろう。



今までは、仁の笑顔を見るだけで幸せで。

仁と会えるだけで幸せだったのに。



どんどん欲張りになっていく、あたしがいる。