【完】ラブ☆パワー全開




山北さん居るなら……帰りたいなぁ。


そう思ってるうちに他のメンバーは出発してる。

千恵は既に違う部署の男の人と親しげに話してるし。


仕方ない。


取り合えず行って、
他の部署の女の子と喋ってよー。



そう思ったのに。



山北ぁぁぁー、隣歩くなぁぁぁ!



「ねぇ、綾乃ちゃん。今度映画行かない?」

「えー、山北さんなら沢山行く子いるでしょう?」



当たり障りなく断る。



「俺、綾乃ちゃんと行きたいんだけど」

「あはははは……」



何だ、その直球。



「駄目?」

「あー、駄目ですねぇ」



これで誘わないでしょ。



「あ、そうか年下の彼か」



それが何だっていうのよ。



「映画行くってだけでも、ヤキモチ妬くよね。年下って」



馬鹿にした笑いを見せる山北さんに、ムカッとした。



「別に」



仁に妬かれるヤキモチは、嬉しいんだよ?

だけど……何か年下を馬鹿にしてない?


「じゃあ、いいじゃん、ね?」

「あたしが嫌なんで無理です」



フン。
あたしだってハッキリ言うんだからねっ!