【完】ラブ☆パワー全開




「仁、詳しくは学校で聞かせてねん」

「詳しい話なんてないっ」



相変わらず、仁は冷たい。


そのままバイクに跨ると



「綾さん、早くメット被って」



そう言われ、慌ててヘルメットを被って後ろに跨る。



「うぉ! 仁がバイクに女乗せてるの初めて見た!」

「コレ貴重だぜ? 写メれって!」

「学校で売れるぞっ」



ギャーギャー騒ぐお友達を睨みながらも



「綾さん、ちゃんと止めなあかんやん」



ヘルメットの顎紐を止めてくれるのは嬉しいんだけど

……その目、本気で恐いんすけど。



「お前等、えぇ加減にしとけよ?」



低い低い声で囁き、バイクは走り出した。



振り返って男の子達に小さく手を振ると、
さっきの威勢のよさは消え男の子達も小さく手を振ってくれた。