【完】ラブ☆パワー全開




「実はね。前々から綾乃を気になってたらしいよ。
で、合コンの話の時に内緒でって頼まれたんだ」

「え?」

「相当、愛されてますな」



そう言った千恵が、
あまりにもニヤニヤするから、
あたしの顔はどんどん赤くなっていく。


頬に両手を当て、俯いたあたしに



「ま、男はかっこつけたいもんなんだよ。
だから今1番恥ずかしいのは仁じゃん?」



あたしの頭をポンポンと撫でた千恵から、
仁へと向けると絡まる視線。



「綾さん、用事済んだ?」

「え? あ……うん」

「んじゃ、行こ」

「え? もう?」

「いーからっ!」



今さっき仁に手を引かれてここに来たのに。

また手を引かれここからでて行くあたし。


振り返りながら千恵に振ると



「仲良くね~」



って言われて。



仁の友達は一緒に外まで着いて来て。

それでも仁は無視し続ける。



えっと、これはどうすれば?