「実はね。前々から綾乃を気になってたらしいよ。
で、合コンの話の時に内緒でって頼まれたんだ」
「え?」
「相当、愛されてますな」
そう言った千恵が、
あまりにもニヤニヤするから、
あたしの顔はどんどん赤くなっていく。
頬に両手を当て、俯いたあたしに
「ま、男はかっこつけたいもんなんだよ。
だから今1番恥ずかしいのは仁じゃん?」
あたしの頭をポンポンと撫でた千恵から、
仁へと向けると絡まる視線。
「綾さん、用事済んだ?」
「え? あ……うん」
「んじゃ、行こ」
「え? もう?」
「いーからっ!」
今さっき仁に手を引かれてここに来たのに。
また手を引かれここからでて行くあたし。
振り返りながら千恵に振ると
「仲良くね~」
って言われて。
仁の友達は一緒に外まで着いて来て。
それでも仁は無視し続ける。
えっと、これはどうすれば?

