【完】ラブ☆パワー全開




「って、仁の彼女さんって敦の姉ちゃんの友達?」

「へぇ、そうなんだ」



玄関先でわいわいと話す男の子達の中で



「俺も知らなかったんだけど、仁君?」



と敦君が仁の肩に腕を回す。


渋い表情をした仁が、その腕を取りながら



「お前等に言う必要はない」



バッサリ切るも



「綾乃ちゃんやのにぃ~?」



と敦君はニヤニヤしてる。


あたしが何だろ?



「ぶっ! 仁、頑張って隠してたのに……馬鹿だね」



千恵までも、その話へと入り笑ってる。


ちょっと待って。
隠してたって何?



「俺にお礼言って欲しいなぁ。あの合コン1人空き出すの大変だったんだよねぇ」



――ゴンッ
その敦君の言葉に、仁から容赦ない強烈な一発。

そして冷たい目に、冷たい口調で



「黙れ、アホ」



と呟いた。



「いてーな……仁」



殴られた頭を摩りながら、
涙目になる敦君を見つめた。