チャイムも鳴らさず、
勝手に家の中に入ってしまって。
ちょうど通りかかった千恵が驚いた顔を見せた。
「綾乃!? って何で仁も?」
千恵!
あたしも全然意味がわかんないの!
助けを求めるように千恵の顔を見つめていたら、
「仁、逃げるなよー」
後から続いて入って来た男の子達。
それを見て千恵がニヤッと笑う。
何、なに、あたし全然わかんないんだけどっ。
それに仁、敦君達に言ってなかったんだ。
付き合ってたこと。
それは、敦君にあたしが彼女だってバレたら冷やかされるから……でいいんだよね?
それとも……言いたくなかった、とか?
「あ、それよりもワンピは?」
「え、あぁ。ちゃんと持ってきたよ」
「お。ありがとー」
袋からワンピースを取り出し、
体に当てて満足そうな笑みを零す千恵。

