【完】ラブ☆パワー全開




素っ頓狂な声をあげた敦君は仁のそばへ寄り、



「お前、黙ってたなぁ!?」



冷やかすようにケラケラと笑いながら問い詰めていて。


うな垂れたままの仁は無視してて。



へ?
どういうこと?



「え、じゃあ仁の彼女さんっすか?」



残ってたお友達に聞かれ



「え、あ……はい」



ちょっと遠慮がちに答えた。



「あ! よくバイト先に来てますよね?」



もう一人居た男の子に向けられた、
ぱぁっと明るい柔らかい笑顔。



「あ、バイトの!」

「あ、覚えててくれました?」

「うん!」



そういえば見たことある。

いつも仁と喋ってる可愛い男の子だ。



「俺、楠木(クスノキ)って言います」

「あ、俺は……」



楠木君と、もう一人の男の子が自己紹介をしようとした瞬間



「お前等、あんま近寄んな」



後ろから聞こえた仁の声と、
引かれたあたしの手。



「うぉい、仁!
俺、まだ喋ってたんすけどー」

「煩い、喋んな」



は?
何この状況は!?