「あれー? 仁?」
「チッ……」
えぇ!?
今のって……舌打ちだよね。
しかも仁の……っ!
気になりつつも慌てて振り返ると、
声の主は敦君とお友達2人。
うわ、皆若いなぁ。
そこには見るからに“高校生”って男の子達がこちらに向かって歩いて来てて。
「お前、彼女とのデートで帰ったんじゃなかった?」
「忘れ物?」
「コイツ振られたんじゃね?」
こちらに近付いてくる敦君たちの大声に、仁は小さな声で
「うっせー、ボケ」
って、キャラ変わってない!?
仁って友達といる時は、こんななんだ。
新しい発見に自然と笑みが零れてしまう。
「あ、れ? 綾ちゃん?」
「あ。敦君、久しぶり」
近くに来て、
やっとあたしの存在に気付いた敦君ににっこりと笑いかけた。
隣に居た男の子達が、物珍しそうに見る視線も感じつつ。
「千恵居る?」
気にしないふりをして問いかけた。
のに。
「え? え? え? え? え?
仁と、綾ちゃん!?」
驚いた顔をしてあたしと仁を交互に指差す敦君に首を傾げた。
「って、もしかして仁の彼女って……綾乃ちゃん!?」

