【完】ラブ☆パワー全開




「あれー? 仁?」

「チッ……」



えぇ!?

今のって……舌打ちだよね。

しかも仁の……っ!



気になりつつも慌てて振り返ると、
声の主は敦君とお友達2人。


うわ、皆若いなぁ。

そこには見るからに“高校生”って男の子達がこちらに向かって歩いて来てて。



「お前、彼女とのデートで帰ったんじゃなかった?」

「忘れ物?」

「コイツ振られたんじゃね?」



こちらに近付いてくる敦君たちの大声に、仁は小さな声で



「うっせー、ボケ」



って、キャラ変わってない!?


仁って友達といる時は、こんななんだ。

新しい発見に自然と笑みが零れてしまう。



「あ、れ? 綾ちゃん?」

「あ。敦君、久しぶり」



近くに来て、
やっとあたしの存在に気付いた敦君ににっこりと笑いかけた。

隣に居た男の子達が、物珍しそうに見る視線も感じつつ。



「千恵居る?」



気にしないふりをして問いかけた。



のに。



「え? え? え? え? え?
仁と、綾ちゃん!?」



驚いた顔をしてあたしと仁を交互に指差す敦君に首を傾げた。



「って、もしかして仁の彼女って……綾乃ちゃん!?」