少し考えた仁は、
少し困った顔をして
「じゃあ今から……俺も一緒に行っていい?」
「へ?」
何故か、仁まで一緒に行くことになった。
けど。
敦君に会わせたくない理由でもあるのかな?
妙に焦ってるし。
聞いても答えてくれないから、気になるけど黙っておいた。
あんまりしつこく聞いて嫌われたくないもんね。
「はぁー。着いてもた……」
「そりゃ、着くよね?」
千恵ん家へとバイク走らせ
家の前でエンジンを切ると
ヘルメットをミラーに引っ掛け
ハンドルへと頭をつけながらうな垂れる。
当たり前だよね。
千恵の家に向かってたんだから。
着かなきゃ逆におかしいってば。
仁がすっごく変なんだけど!
一体、何がどうしたんだろう。
もう一回くらい聞いてもいいかな。
そう悩んでたあたしの背後から
男の子の声が聞こえた。

