【完】ラブ☆パワー全開




少し考えた仁は、
少し困った顔をして



「じゃあ今から……俺も一緒に行っていい?」

「へ?」



何故か、仁まで一緒に行くことになった。



けど。



敦君に会わせたくない理由でもあるのかな?

妙に焦ってるし。

聞いても答えてくれないから、気になるけど黙っておいた。

あんまりしつこく聞いて嫌われたくないもんね。



「はぁー。着いてもた……」

「そりゃ、着くよね?」



千恵ん家へとバイク走らせ
家の前でエンジンを切ると
ヘルメットをミラーに引っ掛け
ハンドルへと頭をつけながらうな垂れる。



当たり前だよね。

千恵の家に向かってたんだから。

着かなきゃ逆におかしいってば。


仁がすっごく変なんだけど!


一体、何がどうしたんだろう。

もう一回くらい聞いてもいいかな。


そう悩んでたあたしの背後から
男の子の声が聞こえた。