【完】ラブ☆パワー全開




「飯食ったし、どーする?」



食事を済まし、
駐車場まで歩きながらする会話で思い出した。



「あ!」

「ん? どうしたん?」

「あたし、後で千恵んとこ行かなきゃ駄目だったんだ。
だから、その……近場でも……いい?」

「また遠慮がちに言うー! 彼女やねんから遠慮すんなって」



あー! もうっ!

何、今のセリフ!


仁てば絶対に、あたしのこと殺す気だよ。



「って、あかんっ!」

「へ? 何が?」



独りの世界にどっぷり浸かってたあたしに、仁の大声。



「だって、それって敦ん家ってことやろ?」

「そりゃーねぇ」



千恵は実家暮らしなわけだから、
弟の敦君の家でもあるよね。

でも何で駄目なんだろ?



「千恵に服を渡すだけなんだけど?」

「そ、それでも、あかん」



弱々しくも、やたら焦る仁。



「どうしたの?」



何でこんなに千恵の家に行こうとするのを止めるんだろ。