見つめていた仁の顔が近付き、
唇に軽いキスを落とすと腕を差し出し
「綾、おいで?」
って……。
もしかして、これって。
もしかしなくてもっ!
「腕枕?」
「そ」
「いいの?」
「勿論」
こんなことをサラッとやってのける仁に、
ドキドキしっ放しのあたしは腕のに頭を乗せた。
その瞬間、ギュッと抱きしめられ、仁の全てに包まれてる気がした。
「綾さん」
「……ん?」
恥ずかしさと照れしかないあたしは、
仁の胸や腕や匂いに完全に酔っている。
「ひとつだけ約束してくれる?」
「約束?」
「ん。俺が綾さんのこと捨てるとかまじないから……信じて?」
ね、仁。
わざとでしょう?
あたしが悩んでることを
サラッと何事みたいに言っちゃうのは、
わざとなんでしょう。
“信じて”は、あたしのセリフ。
あたしが仁から離れることなんて、ない。
たった23年間かもしれないけど、
あたしは仁みたいな人に初めて出会ったもん。
好き過ぎて恐いなんて感情、生まれて初めてだよ。

