「大丈夫か? キツイなら今日は止めとく?」
「えっ!?」
まさか言われるなんて思っていなかった言葉に焦った。
今まで抱き合っていた仁が離れるのがわかったあたしは、仁の服を握り
「しよ?」
なんて大胆発言。
たった2回の経験で、こんなことを言うなんて。
言った後で自分自身に驚いた。
もっと驚いた顔をした仁は、はぁーっと溜息をひとつ零すと妖艶に微笑む。
「誘ったんは綾やで」
そう耳元で囁き、目を絡ませ、唇を深く合わせる。
え、誘ったって。
あ、そうなんだけどっ。
え、あ、や……。
付いていくことで精一杯とか、そんなもんじゃなく。
既に付いてすらいけないあたしは何をどうすればいいのかすら、わかんない。
ギュッと仁にしがみ付くように腕を回し、
瞼を固く閉じていたあたしの額に唇が触れ、ゆっくりと瞼を開くと
そこには優しい、でもどこか男らしい仁の顔があって。
「わかってる」
たった、それだけの言葉なのに、あたしの緊張が解けていく。
与えられる刺激に酔い痴れてしまうだけ。
初めて味わう感覚に意識を飛ばしそうになって。
今にも何かが弾けそうで。
こんな気持ちは初めて。

