【完】ラブ☆パワー全開




「大丈夫か? キツイなら今日は止めとく?」

「えっ!?」



まさか言われるなんて思っていなかった言葉に焦った。

今まで抱き合っていた仁が離れるのがわかったあたしは、仁の服を握り



「しよ?」



なんて大胆発言。


たった2回の経験で、こんなことを言うなんて。

言った後で自分自身に驚いた。


もっと驚いた顔をした仁は、はぁーっと溜息をひとつ零すと妖艶に微笑む。



「誘ったんは綾やで」



そう耳元で囁き、目を絡ませ、唇を深く合わせる。


え、誘ったって。

あ、そうなんだけどっ。

え、あ、や……。


付いていくことで精一杯とか、そんなもんじゃなく。

既に付いてすらいけないあたしは何をどうすればいいのかすら、わかんない。


ギュッと仁にしがみ付くように腕を回し、
瞼を固く閉じていたあたしの額に唇が触れ、ゆっくりと瞼を開くと
そこには優しい、でもどこか男らしい仁の顔があって。



「わかってる」



たった、それだけの言葉なのに、あたしの緊張が解けていく。



与えられる刺激に酔い痴れてしまうだけ。

初めて味わう感覚に意識を飛ばしそうになって。

今にも何かが弾けそうで。



こんな気持ちは初めて。