一度許された甘い声は、
終わりを知らない。
顔を隠したいのに、
何も隠す物もない。
持ってたはずの缶ビールは、
いつの間にか手から消え。
どんどん大胆になっていくあたしを、
もう自分では止めれない。
吐息が漏れる。
腰が浮く。
掴んだシーツに皺がよる。
初めての快感に酔いしれていた時
「ん、痛っ」
そう小さく叫んだあたしに、
仁の手が止まった。
「え。綾……さん、初めてちゃうよな?」
「う、うんっ」
まじまじと顔を見つめられて、余韻が一気に醒め
それと同時に恥ずかしさが増した。
な、何あたし……。
あんな声出して。
いくら聴きたい。
そう言われたからって……恥ずかし過ぎるよっ。
パニック寸前の頭の中は、
仁が何かを考えているのなんて全く気付かず。
ひとり言い訳の繰り返し。
「前にヤッたんて、いつ?」
「……へ?」
仁の言葉を理解するまでに時間がかかってしまった。
そして記憶を辿り……
「2~3年前くらい、かな?」
なんとも曖昧。
だって、覚えてないんだもん。
シタのだって実は今までに2回だけ。
だけど、そんなこと言ったら引かれちゃうよね。
23にもなって2回なんて……ヘンなんだよね?

